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互助会訴訟で最高裁が不当決定!

  • 2022.03.08
     最高裁判所は,令和4年3月8日,水俣病被害者互助会の原告8名の国賠訴訟について,上告を受理せず,上告棄却を決定したことに伴い,令和2年3月13日に福岡高等裁判所が言い渡した判決が確定しました。
     福岡高裁は,「四肢抹消優位の感覚障害のみの水俣病にり患した者が,昭和52年判断条件に定める症候の組合せが認められる者に比して飛躍的に多いと認めるに足りる疫学的,臨床医学的根拠は存せず,そのような者が実際にどの程度の拡がりをもって存在するかは,現在のところ必ずしも明らかでないといわざるを得ない」「当該症候が他疾患によるものである可能性がある場合には,当該症候がメチル水銀曝露により起こる神経系疾患によるものである可能性が減殺されるということになる」として,原告らの感覚障害の原因が他の疾患にあるとしました。

     最高裁は法律審と呼ばれ,高裁判決までの事実認定の是非については判断しないため,福岡高裁判決の事実認定が正しいと判断されたものではありません。私たちは,福岡高裁の事実認定の誤りを正す必要があります。

     福岡高裁の「感覚障害のみの水俣病にり患した者が例外的」との事実認定は,国が不知火海沿岸住民の健康調査を怠ってきたことを免責するばかりか,特別措置法で3万人以上の被害者が水俣病と判定された結果から目を背ける誤りです。
     水俣病特別措置法の該当者は,対象地域の外側にも大きな拡がりを見せ,宮野河内,姫戸,長島で実施された新有病率調査も,同様の結果を示しています。高岡医師や藤野医師,積医師らの証人尋問でも,感覚障害のみの被害者が多数埋もれていることが明らかにな
    りました。

     私たちは,水俣病被害者互助会の皆さんとも連帯しながら,福岡高裁の誤りをただし,感覚障害のみの者を含むすべての水俣病被害者が救済されるまで,力を尽くします。

水俣病不知火患者会