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第5回弁論期日(東京)

  • 2015.11.27
    東京第5回弁論期日開催 ~原告意見陳述に裁判所も真摯に耳を傾ける

    本日,東京地裁で第5回弁論期日が開かれました。

    傍聴券の抽選には180人以上の支援者らが列を作り,今回も傍聴席を満席にすることができました。
    今回は,第4陣原告の裁判と第1陣から第3陣までの裁判とを一緒にやっていく(弁論併合)という手続きから始まりました。
    東京の原告は第4陣の19名が追加され合計67名となりました。

    原告弁護団から岩﨑真弓弁護士が 「国は長期にわたり微量にメチル水銀を摂取しても水俣病にならないし,四肢抹消の感覚障害だけの慢性水俣病も病理解剖所見と合致しない等と主張しています。しかし国の主張の元になっている所見は,初期の急性患者の症例が主で,しかも数百例と限定された範囲のものです。これまで認定された5万4千人という慢性水俣病患者の症例を説明することは出来ません。」と提出した書面の要旨を述べました。
    被告国・県の代理人も「原告が主張している四肢末梢優位または全身性感覚障害は,いずれも水俣病に特有の症状ではないから,他の病気との区別(鑑別)が必要だ。その区別抜きに原告が水俣病だといっているのは間違いだ」などと主張しました。原告は次回反論します。

    そして第1回弁論期日で吉竹原告団長がして以来の意見陳述を第2陣原告のIさんがすることができました。
    Iさんは,「父親がチッソ従業員だったので,『水俣病について一切語るな』といわれ,その教えを守り,社会人になって結婚しても、友人にも,家族にさえも自分の体調不良を言わないで,ただ1人で悩んで隠し続けてきました。8歳上の姉は,ろれつが回らず水俣病の症状があるのに,父の教えを守ってか,自分は水俣病じゃないと言い張って検診を受けません。私は手の感覚が鈍いので,けがをしても気づかなかったり,抱いていたかわいい孫を取り落としてしまったこともあります。今は孫を抱くのも躊躇してしまいます。」などと述べました。姉が水俣病であることを頑なに否定することに触れた時,思いが溢れて言葉に詰まってしまいましたが,最後まで立派に意見を述べました。
    裁判官もIさんの訴えに真剣に耳を傾けていたようでした。意見陳述が認められたのは,毎回の傍聴支援によって満席になっていることと原告が増え続けて67名になったこと,法廷内の原告席も満員になっていることが大きく影響していると思われます。



    期日後の報告集会にも,約80人の支援者らが集まり,期日の報告や感想を述べ合い,今後の訴訟と支援への決意を固めあいました。

    次回期日は,来年1月27日(水)15時から,101大法廷です。ただし,傍聴券の抽選等の都合があるので14時には東京地裁前に集合してください。
    その後は,3月9日(水)15時から,5月25日(水)15時からとそれぞれ期日が予定されています。



水俣病不知火患者会