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第27回弁論期日(近畿)上野眞也氏証人尋問

  • 2021.03.10
     本日、ノーモア・ミナマタ第2次近畿訴訟では、被告側が申請した上野眞也教授(熊本大学名誉教授)の証人尋問が行われました。
     上野教授は、「曝露」(各地域のメチル水銀に汚染された魚介類摂取状況)に関する証人です。

     上野教授は、不知火海沿岸地域の魚介類の流通状況を調査した結果、チッソから排出された水銀に汚染された魚介類の流通範囲はそれほど広くなく、したがってそれが原告らの口に入った可能性は少ないなどと述べています。

     原告側は、反対尋問で、徳井義幸近畿弁護団長が意見書の公平性や信用性など総論について、川上高史弁護士が流通や統計調査について、福光真紀弁護士が各地域の漁の特色や食生活について尋問しました。

     この反対尋問により、上野教授はノーモア・ミナマタ第2次訴訟の提起以降に国の委託を受けて調査を始めそれまで水俣病に関わったことが無く深い関心も知識も無かったこと、調査(インタビュー)した人は80人とごく限られた範囲であったこと、統計調査の評価は恣意的であること、調査結果は当時の実生活とかけ離れていること、などが明らかになりました。
     特に、上野教授は、当時家庭で食べられていたイワシやサバは、天草灘や東シナ海で獲れたものであるとしていましたが、その根拠を明確に証言することができず、裁判所に対しても上野教授の話には信用性に欠けるという印象を与えました。

     期日終了後に開かれた報告集会に参加した原告からは「自分たちが生まれ育った環境とあまりにも違う証言だった」などと上野教授の証言のおかしさを指摘する意見が沢山出されました。
     
     近畿訴訟では、5月からいよいよ原告本人尋問が始まります。勝利判決を勝ち取ろうと決意を固め合う報告集会でした。

    (報告集会の様子)



水俣病不知火患者会